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才木・工藤で勝ち筋を作りながら8回崩壊…大山の右中間2ランだけは別格だった

阪神
3 - 4
ヤクルト
2026年6月23日(火) | 阪神甲子園球場 | 首位争い直接対決
才木浩人
6回無失点
100球・8奪三振
8回表
岩崎13球4失点
痛恨の崩壊
大山悠輔
11号2ラン
右中間・別格
先に結論

この試合の本質は「岩崎が打たれたから負けた」だけではありません。もちろん8回表の4失点は最大の敗因。しかしそれ以前に、阪神は山野太一を114球まで投げさせながら自責点を取れず、5回の無死二塁・7回の一死二塁・8回の無死一塁を得点に結びつけきれませんでした。才木が6回無失点、工藤が7回三者連続三振と勝ち筋はできていたのに、1-0のまま終盤に入ったことで、1イニングの崩れがそのまま敗戦に。一方で大山悠輔の右中間2ランは明確な希望——168.2キロ・123.1m・角度26度、右打者が甲子園の右中間へ流し方向に押し込んだ一発でした。課題は勝ちパターンと追加点。希望は才木・工藤・木下・福島、そして大山です。

スコアだけ見れば1点差の惜敗ですが、「惜しかった」で片づけにくい内容です。試合前、阪神は首位、ヤクルトは1.5ゲーム差。勝てば2.5差に広げられた直接対決でしたが、敗戦で0.5差まで詰め寄られ、巨人も勝って阪神・巨人が同率首位、ヤクルトが0.5差という形になりました。3連勝(高橋遥人 完投)でつかんだ単独首位から、一転して重い1敗です。

01試合経過 ── 1-0で勝てる形に入っていた

イニングスコア
123456789
ヤクルト0000000404
阪神0100000203

阪神 3点 8安打 / 甲子園 / 勝:山野太一 / 負:岩崎優 / S:キハダ

場面スコア
2回裏熊谷・濱田の連打で一死一二塁→梅野の右飛+モンテルの悪送球が絡んで先制(相手失策絡み)1-0
1〜6回才木が6回無失点。ピンチを作っても要所で三振を奪いゼロ1-0
7回表工藤が12球で三者連続三振(赤羽・代打塩見・モンテルを空振り三振)1-0
7回裏代打・福島の右前打→梅野の犠打で一死二塁も、代打・糸原が左飛・高寺が三振で追加点ならず1-0
8回表岩崎が長岡・増田の連打、オスナ四球で一死満塁→岩田の逆転2点二塁打→申告敬遠→赤羽の2点タイムリー1-4
8回裏二死一塁から大山の11号右中間2ランで1点差3-4
9回木下が9回表を無失点/9回裏はキハダに三者連続三振で試合終了3-4

02「普通の1敗」ではない ── 順位表の重さ

最初に押さえるべきは順位表です。試合前、阪神は首位、ヤクルトは1.5ゲーム差。阪神が勝てば差は2.5、負ければ0.5まで詰められる——直接対決らしく、勝敗で順位表の見え方が大きく変わる一戦でした。

この敗戦の重み

結果は敗戦。勝てば突き放せた相手を、逆に0.5差まで近づけてしまった。さらに巨人も勝ち、阪神・巨人が同率首位、ヤクルトが0.5差。これは単なる1敗ではなく、上位争いの相手に勝ち試合の形を作りながら落とした重い1敗です。

03才木浩人は責められない ── 勝ちをつけるべき投球

項目内容
投球回 / 球数6回 / 100球
被安打 / 失点3 / 0
奪三振 / 与四球8 / 1
最速6回に153.9km/h

文句なしに勝ち投手に値する内容。初回に長岡の二塁打、2回も守備の乱れや振り逃げで走者を背負い、6回にもピンチがありましたが、要所で三振を奪ってゼロに抑えました。6回だけで27球を要し100球到達、ここで降板は自然。論点は「才木をなぜ下げたのか」ではなく、才木が作った1-0をどう勝ち切るかでした。

04工藤の7回は圧巻 ── 勝ちムードはここで完成していた

7回に登板した工藤は12球で三者連続三振。赤羽・代打塩見・モンテルをすべて空振り三振。最高159.8km/h、平均158.2km/h。ただの無失点ではなく、力でねじ伏せた1イニングです。才木6回無失点、工藤7回三者連続三振——この時点で甲子園の空気は完全に阪神でした。だからこそ、直後の8回の崩壊が重く感じられます。

057回裏、追加点策は実らなかった

7回裏はこの試合の大きな分岐点。7番・濱田に代打・福島圭音、福島は初球をライト前ヒット(打球速度160.5km/hの強い打球)。続く梅野が送りバントで一死二塁。ここで9番・工藤の打順に代打・糸原健斗——ベンチは工藤続投ではなく、ここで追加点を取りにいきました。

この場面の重さ

判断自体は理解できます。1-0のまま8回に入るのは怖く、2-0にできればリリーフの心理も相手の攻め方も変わる。しかし糸原は左飛、高寺は空振り三振で無得点。代打福島もバントも成功したのに、勝負をかけた追加点策が実らず、この無得点が8回表に直結しました。

06岩崎優の13球4失点 ── 最大の分岐点

8回表、岩崎優は1/3回・13球・被安打4・四球2・4失点。ここで重要なのは、長く粘られて球数が増えた末ではなく、13球で4点を失ったこと。早いカウントで仕留められ、止める場所がなくなったイニングでした。

打者結果
長岡秀樹センター前ヒット
増田珠ライト前ヒット
古賀優大送りバント
オスナ四球(一死満塁)
岩田幸宏逆転の2点二塁打
サンタナ申告敬遠
赤羽由紘2点タイムリー
この回の見方

ヤクルトはホームランで一気にひっくり返したのではなく、連打・バント・四球・長打・敬遠後のタイムリーと、阪神が嫌がる形で1点リードの8回を壊しました。岩崎には実績があり、1試合で全否定する話ではありません。ただ「今後の8回を誰に任せるのか」という論点は避けられない。工藤は12球で三者連続三振、岩崎は13球で4失点——この対比が今日を象徴していました。

07石黒と木下は敗戦の中の材料

岩崎の後を受けた石黒佑弥は2/3回・22球・無安打・無失点で追加点を止めました。ここでさらに失点していれば大山の2ランも届かない反撃に。石黒が止めたから1点差まで迫る形を残せました。9回表の木下里都も13球・無安打・1奪三振・無失点(最高158.7km/h)。工藤・木下のように球威で押せる投手を今後の勝ちパターンにどう組み込むかが重要なテーマです。

08山野を114球投げさせながら崩せなかった

阪神は8安打を放ちましたが得点は3点。しかも2回の先制点は相手の悪送球絡み、8回の2点は大山の本塁打で、連打で崩して取った点はほぼありません。ヤクルト先発・山野太一は6回114球・被安打4・1失点・自責0。球数は投げさせたが崩し切れませんでした。

この打線の課題

山野のストレートは5〜6回に平均145km/h前後まで落ちていた。ここで仕留めたかった。5回裏は無死二塁(梅野二塁打)も才木のバントで二走アウト、7回裏は一死二塁も無得点、8回裏は先頭・中野が出るも森下が併殺。チャンスも起点も作ったのに得点にできず、1-0のまま終盤に入ったこと自体が試合を危うくしました

09打球データで見る「強いのに点にならない」

阪神打線は弱い打球ばかりだったわけではありません。むしろ強い打球は出ていました。

選手結果打球速度角度
森下翔太併殺170.3km/h-26度
大山悠輔本塁打168.2km/h26度
中野拓夢二ゴロ167.2km/h-16度
熊谷敬宥遊ゴロ162.4km/h-21度
福島圭音右安打160.5km/h3度
データで見る明暗

象徴的なのが森下と大山の対比です。森下の併殺打は170.3km/hと大山の本塁打より速い。しかし角度は-26度で地面に叩きつけるゴロになり併殺。一方大山の本塁打は168.2km/h・角度26度と強さと角度が完璧にそろい右中間スタンドへ。打球速度だけでは得点にならない。角度と場面が必要——強いゴロが多く得点に変わらなかったことが、今日の打線の大きな課題です。

10大山悠輔の右中間2ランは別格だった

この試合で最も大きな希望が、8回裏・1-4・二死一塁からの大山悠輔の11号右中間2ラン。打球速度168.2km/h、飛距離123.1m、角度26度。右打者が甲子園の右中間へ、流し方向に押し込んだホームランで、引っ張ってレフトに叩き込む一発とは意味が違います。逆方向にバットへ乗せて力で運びました。

この一発の意味

大山の打席内容は、1打席目・遊飛、2打席目・二ゴロ、3打席目・四球、そして4打席目に理想的な角度の一撃。状態の良さ、修正力、本来の押し込みの強さが出たホームランでした。悔しいのは、これが勝ち越し弾ではなく追い上げ弾だったこと——8回に4点を取られず、5回か7回に追加点を取れていれば、勝ち試合の主役になっていたかもしれません。それでも負け試合の中でも明確な希望です。

11今後の注目点

  • 1点リードの8回を誰に任せるか。岩崎の実績は大きいが、工藤・木下の球威を勝ちパターンにどう組み込むか
  • 追加点の取り方。山野に114球を投げさせながら自責0。球数を投げさせるだけでなく得点で崩す
  • 打球角度。強い打球は出ている。森下170.3キロ併殺と大山168.2キロ本塁打の差は角度の差
  • 近本不在の1番。高寺は強い打球もあったが4打数0安打2三振。出塁できないのは1番として重い
  • 大山の復調を打線につなげる。佐藤が出て大山が返す形を増やせるか

12まとめ ── 勝ち筋を作った後にどう勝ち切るか

阪神はヤクルトに3-4で逆転負けしました。勝てば突き放せた直接対決、才木6回無失点、工藤7回三者連続三振——ここまでは完全に勝ち試合の形。しかし打線は山野を崩し切れず1-0のまま終盤へ、8回表に岩崎が13球で4失点し一気にひっくり返されました。

まとめ

それでも大山悠輔の右中間2ランは別格(168.2キロ・123.1m・角度26度)。課題は勝ちパターンと追加点、希望は才木・工藤・木下・福島、そして大山。この負けを「岩崎が打たれた試合」で終わらせるのはもったいない。首位争いの中で勝ち筋を作った後にどう勝ち切るか——そこが阪神に問われています。

13動画でも詳しく話しています

才木・工藤で作った勝ち筋、8回の崩れ、山野を崩せなかった打線、そして大山の右中間2ランがなぜ別格だったのかまで、同じテーマで整理しています。

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